伊月あやめ 先生
父の七回忌に口寄せしていただきました。書斎の引き出しに大事な物があると言われ……
●大分県大分市 成瀬幹子さん(40歳)
父の七回忌法要の後、故人が生前使用していた書斎の部屋をどうするかという話が出ました。古い机や蔵書の類を売るか捨てるかして、来客が泊まれるような部屋にしたいという母の要望に従い、にわかに室内の掃除を始めたのですが、そのうちに懐かしさと寂しさが込み上げて、伊月あやめ先生にお電話してしまいました。
久しぶりに父の霊を降ろしていただき、20分ほど話しました。先生の身体を借りて語る父の霊は、相変わらずぶっきらぼうな口調でした。「今、俺の部屋を片付けているのか?」「そうだよ。ママが客間にしたいって言うから」「そうか。ガラクタがいっぱい残っていて大変だな。あ、それから、机の引き出しを片付ける時は慎重に、な。大切な物が残っているから」「大切な物?」「ああ、けっこうな金になると思うぞ」。
具体的に何があるのかまでは教えてはくれなかったのですが、首を傾げながら再び机の整理に戻ったところ、一番下の引き出しから大量の証券類が出てきました。父が亡くなった際、残された財産については全て洗い出したつもりだったのですが、引き出しから溢れてその下の床に隠れていたため、発見することができなかったのです。
後日、その証券を処分したところ数百万円ほどになり、母はリフォーム資金ができたと大喜び。亡き父からの思いがけぬプレゼントでした。