なぜ日本では「火葬」を行うのか?
霊能者が教える霊界こぼれ話 ②
日本において死者を弔う時、基本的には遺体を燃やして骨の状態にし、お墓へと埋葬する「火葬」が執り行われます。その理由は、土葬する際の土地の問題や衛生面などの理由も考えられますが、今回は霊界の観点から紐解きたいと思います。
火葬が初めて行われたのは古墳時代
「火葬」の歴史は古く、仏教の伝来とともにインドから日本へと伝わりました。かのブッダも火葬で埋葬されたことから、“徳の高い人の埋葬方法”として認識されます。国内で初めて火葬をされたのも道昭(629~700年)という僧侶でした。しかし、現代のように人体を燃やすための施設や設備が整っていなかったこともあり、火葬を行っていたのは僧侶や貴族のみで、一般人の埋葬方法としてはあまり浸透しませんでした。また、遺体を燃やすことを罪とする価値観が根強かったこともあり、日本においても明治初期までは「土葬」が中心だったと言います。その後、急激な都市化によって土葬するための土地が不足したことや、伝染病等の公衆衛生問題がささやかれたことにより、徐々に火葬へとシフトしていきました。
霊的観点から考える「火葬」のメリット
火葬は、少ない土地で埋葬できることや衛生面以外にも、霊界から見てもとても理にかなった埋葬方法だと言えます。なぜなら、土葬などでご遺体が残ったままだと、亡くなった方の魂が成仏できずに、現世に残ってしまう可能性が高まるからです。やはり肉体と魂は表裏一体ですから、簡単に切り離せるものではありません。例えば、今わの際で少しでも「あの時ああしていれば…」などと心残りが頭をよぎっただけで、あの世に行くことができなくなってしまうこともあるのです。一方、火葬の場合は「火」という“陽の気”でご遺体とともに少しの未練も燃やしてしまいますから、よほどのことがない限り、亡くなった方の魂が現世に留まることはほぼありません。少し乱暴かもしれませんが、亡くなった方の魂は現世に留まるより、成仏した方がよいに決まっているのです。以上のことからも、霊界から見ても土葬よりも火葬の方がメリットが大きいと言えるでしょう。
今回は、霊能者の観点から火葬する理由についてご紹介しました。残された人たちがやるべきことは、亡くなった人が成仏できるように、お墓の前で手を合わせたり、お線香を捧げる「供養する心」です。この気持ちが、亡くなった方を極楽浄土へ導くことができるのです。