03-6625-2018心霊スポットで取り憑いた、女性の怨霊(1)
本当に怖い霊によるトラブルの数々 ②
霊能者として仕事をしていることを、自分から誰かに言うことはめったにないのですが、家族や近しい友人はさすがに知っていて、そちらから依頼が舞い込んでくることがあります。「最近身の回りで変なことが起きるんだけど」とか、「なんだか肩が重くて」など、霊に関わるように思えることでも、実際には霊とは関係のない、思い込みの相談が多く寄せられます。しかし、中には本当に霊に悩まされている、霊に取り憑かれている場合もあります。今回は、心霊スポットで霊に取り憑かれてしまった大学生ことをお話します。
ある日友人から、友人の弟の友達が私に会いたがっているという話をされました。何か相談したいことがあるそうで、友人の頼みなら…と会ってみると、紹介されたのは友人の弟さんと同じ大学に通う、T君という青年でした。T君は長身で、優しい感じのするイケメンです。実際、とても優しく気遣いのできる青年で、T君は私を見ると、少し疲れた顔をしていましたが、爽やかな笑みを浮かべて「お忙しいところすいません、ありがとうございます」と挨拶をしてくれました。
最初から込み入った話になるだろうと思っていたので、友人の実家で、ご両親がいらっしゃらない時を狙って顔を合わせました。自己紹介をして、少しばかりの雑談を交えながら話を聞いていくと、最近T君の身の回りでよくないことが続いているとのことでした。よくないことの中身は、寝ていると金縛りに遭う、部屋の中で人の気配がする、テレビが勝手についたり消えたりする、体が重い、よく眠れない、といったものです。1人暮らしのT君は、それまでは何の問題もなく生活をしていたようで、気味悪がっているというよりも、それらのこと…いわゆる霊障に疲れ果てているようでした。T君の訴えは、ともすれば気のせいだよ、疲れがたまっているだけじゃない？と片付けることもできるものですが、今回は最初に会った時から、彼の首の後ろ辺りに黒い嫌な影が見えていたので、完全に霊の仕業だということがわかりました。そこで弟さんとT君に何か最近変わったことがなかったか、何か特別なことをしなかったか聞いたところ…学生らしい、「心霊スポットに肝試しに行った」という話をされました。1ヶ月ほど前に、学科の親しいメンバーで幽霊の出る夜景スポットに足を運び、そこから帰ってから異変が起き始めたそうです。
軽くため息をつきながら、2人にお説教します。心霊スポットなど、霊に関わる場所には、安易な気持ちで近づいてはいけない。みんなが思っているよりもずっと、霊というものは悪質な場合が多く、特に地上に留まっている霊にいいものはない。最悪の場合、取り殺されることもあるとしっかりと伝えたうえで、T君に自分でできる除霊方法を教えました。あらかじめ持ってきていた、ホワイトセージという浄化作用のあるお香も渡します。家に帰って、このホワイトセージを焚くこと、塩風呂に入ること、それから家中掃除して、部屋の中の邪気を祓うこと。それが終わってから、部屋の隅に盛り塩をすることも勧めて、取りあえず解散しました。強い霊でなければ、こういった簡単な除霊で離れて行ってくれます。心霊スポットにいた霊なのであれば、またそこに戻っていくはず。T君が再びそこに行かなければ、もう関わることはないだろうと思いました。