第64回明野劇場跡地
(茨城県)
放火によって焼け落ちたストリップ劇場の跡地。
廃墟の床には、なぜかいつも真新しい赤い糸が落ちている、という。その糸をたどった先には、陽炎のように佇む女の霊が…!?
長年に渡って集積した、多くの人々の欲望の想念が、粘つく澱のように辺りを覆い尽くし、不気味な疑似霊体を生み続けている場所!
- 所在地
- 茨城県筑西市新井新田74
- 危険度ランク
- B+ ★★★☆☆
何かの怨念を抱いた亡者の霊ではなく、不特定多数の人々が発する想念によって形成された、一種の擬似的霊体が様々な超常現象を引き起こしているケースについて、これまで再三に渡って取り上げてきましたが、今回もまたそれに該当する物件をご紹介します。
場所は茨城県筑西市内、畑地が途切れた先に広がる閑散とした雑木林に入り、狭く荒れた小道を少し行くと、やがて歩を進める傍らに廃墟の入口が姿を現します。通常、この手の廃墟物件というのは、敷地の周囲にバリケードが張られ、たとえ形式的にせよ侵入を禁じる体裁を取っているものなのですが、この場所は完全にノーガード状態で、そのために内部はかなり荒廃しています。半ば藪と化した敷地には不法投棄のゴミが散乱し、肝試しや廃墟探検目的の不法侵入者たちが描いたスプレーの落書きが、屋内外の至るところに散見されました。
元々、ここは昭和40年代の高度成長期に大衆演劇の芝居小屋としてオープンし、その後はストリップ劇場に転じて平成6年まで営業を続けてきました。しかし、長期の経営不振に加えて警察の摘発捜査を受けたことがきっかけとなって閉鎖。さらにその翌年には、放火と思われる不審火で施設が全焼しました。事件の背後には地元の裏社会とのトラブルがあったなどと取り沙汰されましたが、いまだに真相は不明とのこと。 ここで起きるとされる心霊現象は以下の通りです。
- スマホなどで写真や動画を撮ると、ほぼ必ずと言ってよいほどオーブが写り込む。
- 深夜にここを訪れると、どこからか女の鼻歌のような声が聞こえてくる。その声をたどって2階のスタッフルーム跡へ上がると、男女の霊が姿を現す。
- 劇場が放火された際、寝泊まりしていたホームレスが巻き込まれて死亡したらしい。出現する男女の霊のうちの1人はそれではないかと言われている。
- 侵入するとほぼ必ず、焼け残った床や椅子の上などに真新しい赤い糸の塊が落ちていることに気づく。誰が何のためにやっているのかは不明だが、赤い糸を見つけた直後には、これもまたほぼ必ず心霊現象に見舞われる。
ホームレスが死亡したという噂があるものの、私が霊視した限りでは人霊らしき波動は感じられませんでした。また赤い糸の話についても真偽不明です。しかし、それでもなおある程度の霊的危険性をはらんだ場所と言えます。 人々の性愛欲と金銭欲が渦巻いていたストリップ劇場の跡地であることから、それが廃墟と化した現在でも欲情の波動の残滓と言いますか、複数の想念が凝って形成された幽鬼のような存在が残存しています。これはかなり気味が悪い代物で、普段は不定形の粘液のような形を取っているのですが、侵入者が忍び込むとにわかに人の形となって憑依してきます。とくに霊障に遭いやすいという自覚のある方は、絶対に行くべきではありません。