第48回東上野
(東京都)
同じ一画で連鎖する謎の首吊り自殺!それはこの地に葬られ、忘れ去られた死人たちの祟りなのか…?有名神社のふたつの顔を霊能者が探り出す!
創建は奈良時代とも平安時代とも伝わり、東京都内では最古の稲荷神社として知られる、上野のS神社。芸能と水商売の神様として親しまれ、古くから寺町としても栄えたこの神社近辺に、首吊り自殺が多発する恐怖の一画があると言われているのですが…。
- 所在地
- 東京都台東区東上野3丁目
- 危険度ランク
- B ★★☆☆☆
御神仏が鎮まる寺院や神社を心霊スポットとして取り上げることに関しては、若干の後ろめたさが付きまといます。どうしても不敬の感を拭えませんし、何だか忍びない気持ちにもなります。しかし、宗教的な聖地に霊体が集まりやすいことは、私たち霊能者の間では周知の事実なのです。
一般に歴史のある大きな寺院や神社というのは、境内もしくはその近辺のエリアに龍穴(りゅうけつ)と呼ばれる大地の気の噴き出し口を兼ね備えていることが多く、そこから生じる強力な浄化パワーゆえに厳かな聖地として認められ、参詣者を集めて発展していくわけです。
ただ、その一方でエネルギーが充満しているエリアから微妙に外れた周辺部というのは、気の位相やその質が却って低下していることも多く、これはエネルギーの落差から生じる一種の遍在現象とでも言えるもので、得てしてこうした場所が有名な心霊スポットとして認知されることもあるようです。
今回、ご紹介する台東区東上野のS神社も上でご説明したことが当てはまるケースで、神社自体の気の位相は申し分なく、都内有数のパワースポットにも数えられるくらいなのですが、ここを中心としてプラスのエネルギーが集まりすぎるが故にその分、過剰に周辺の気が乱れ、しかもその性質がマイナスに偏ったエリアが形成されやすくなってしまいます。
不浄霊や低級霊と呼ばれる存在はこうしたマイナスの気に自然と引き寄せられますし、さらにそこへ溜池や澱んだ河川の存在といった「水」の地理的条件が重なってしまうと、時には目も当てられないような惨状を呈することもあるのです。
なお、神社に関する具体的な噂としては、境内裏手の何軒かの住宅で、短期間のうちに尋常ではない数の首吊り自殺が連鎖したことがまず挙げられ、それに付随して現場付近には夜な夜なその自殺者の霊が出現するといったまことしやかな話も伝えられているようです。後者の心霊現象はともかく、少なくとも自殺の多発に関しては、土地固有の気の乱れが人間の意識に悪影響を及ぼしたことがその原因として考えられるのではないかと思います。
加えて神社を含む周辺地の時代的変遷を眺めてみると、ここは江戸時代から町人階級の人々の墓地があったことで知られており、今でもお寺の数がとても多いというのが特徴。ビル工事などの際に付近を掘削すると、古い人骨が出土することもあるようです。 この歴史背景もあいまって、心霊スポットの名を冠されたのかもしれませんが、土地固有の気の停滞に気をつけるべきとは思うものの、一般人が霊を目撃するようなことはまずありません。