第35回鞍掛山
(栃木県)
山中の洞窟に出現する老夫婦の霊、そして謎の道祖神……。
人霊と自然霊が融合した存在が徘徊する不思議な場所。
栃木県の宇都宮市と日光市にまたがる標高500m弱の鞍掛山。整備されたハイキングコースなどはないものの、自然豊かなこの山に霊が出没するエリアがある……そんな噂を耳にした女性霊能者が今回も、心霊探査に赴きました。
- 所在地
- 栃木県宇都宮市新里町から日光市猪鞍に至る県道22号線沿い及び廃道付近
- 危険度ランク
- C ★☆☆☆☆
今回ご紹介するのは、宇都宮と日光に跨る鞍掛山の一帯です。山の北麓部分には鞍掛山と呼ばれる場所があり、とくにこの付近で霊的体験をしたという人が多く、栃木県内で屈指の心霊スポットとして知られています。
つい先日、現地へ赴いてみたところ、現地は緑の自然豊かなとてものどかな場所でした。このエリアは県立自然公園に指定されているとのことで、とくに夏場には登山やハイキングを楽しむ人も多く訪れるそうです。ただし、気になることもありました。付近一帯に日光の一大霊山である男体山から来るエネルギー波動が色濃く漂っており、そのパワーが山霊や自然霊の活動を活発化させているようでした。こうした場所では超常現象が起こりやすいのです。実際、旧道の先にある鞍掛山へ行ってみると、霊的磁場としての土地の位相が高い故に、霊体が可視化しやすい状況が整っていました。
平成9年に宇都宮市と日光市を結ぶ鞍掛トンネルが開通以来、峠越えの旧道は廃道となっているのですが、それ以前にはいわゆる走り屋と呼ばれる無謀運転をする輩が数多くの死亡事故を起こしています。ここで起きるとされる心霊現象の多くも、その事故死者や山中での自殺者などの霊と遭遇したというものなのですが、現地で時間をかけて霊査しても、それらしい存在に出くわすことはありませんでした。たしかに過去には事故死や自殺(一説には殺人と死体遺棄事件も起きたとのこと)が多くあったのかもしれませんが、その波動的な痕跡はほとんど感知できませんでした。前段にも書きましたが、霊的磁場の位相が高いため、浮遊霊や地縛霊が滞留しようにもできないという特殊な空間が構成されているのです。聖地とまでは言いませんが、魔を寄せつけない特殊なバリアが存在しています。そういう意味では心霊スポットというより、むしろパワースポットと呼んだ方が適切かもしれません。
なお峠の頂上には道祖神を祀る小さな祠があり、この付近でも霊がよく目撃されるそうなのですが、仮に本当に見たのだとしてもそれは恨みの霊などではなく、一時的に可視化した山霊や自然霊の類ではないかと思われます。というのも、私自身も帰り際にその自然神的な霊体波動と出くわしたからです。かつて修験者だった人霊をベースにそこに自然霊が融合したような存在で、姿形は古めかしい着物を着た老爺と老婆の一対でした。試しにコンタクトしてみたところ、道祖神の化身であるという答えが返ってきました。本人たち曰く「自分たちは鞍掛山を守護している」とのこと。敵対的な感じこそありませんでしたが、あまり歓迎されている雰囲気でもなく、「どうかこれ以上、山を荒らさずそっとしておいて欲しい」と繰り返し訴えられました。
以上、ここは心霊スポットのカテゴリーには入るかもしれませんが、少なくとも霊的な危険性は全くない場所でした。