第29回ホワイトハウス

（新潟県）

夜な夜な廃屋をさまよう少女の霊……
廃屋にまつわる血塗られた噂話の真偽を霊能者が探る！

今回、次回と続けて新潟県にあるふたつの心霊スポットをご紹介します。霊能者が最初に訪れたのは、角田浜の海岸からも程近い場所にぽつんと建つ廃屋。ホワイトハウスの名称で知られるその建物は、地元では知らない人がいないとまで言われる超有名心霊スポットだそうです。

所在地

新潟県新潟市西蒲区角田浜（越後七浦シーサイドライン角田岬灯台の手前）

危険度ランク

Ｂ＋　★★★☆☆

先だって出張相談の依頼を受けた際、はるばる新潟市まで足を伸ばしたのですが、事前の見込みよりも時間の掛かる事案であったため、急遽予定を変更して市内に2泊しました。幸い問題は無事に解決したのですが、今度は逆に時間が余ってしまい、半ば観光巡りの気分で近辺の心霊スポットを調べることに。すると新潟市には有名な心霊スポットが2ヶ所あり、いずれも同じエリア内に所在していることが分かったため、さっそくタクシーをチャーターして現地へ向かった次第です。

最初に向かったのは、西蒲区の角田浜近くの山中にある廃屋で、地元の人々からホワイトハウスと呼ばれているスポット。運転手に目的地を告げると「ああ、あのお化け屋敷ですね」とすぐに了解し、道案内もなしに連れて行ってもらうことができました。地元では相当有名な場所なのだと、あらためて実感しました。

越後七浦シーサイドラインの角田岬灯台手前にあるトンネルを続けざまに抜けると、すぐ右側に問題の廃墟が現れました。白亜の洋館の廃墟と聞いていたのですが、実際の外観を見る限り、たしかに壁は白いものの至って普通の鉄筋家屋でした。こうした廃墟物件にありがちなスプレーの落書きだらけの惨状。しかし所々それを上塗りして消した跡も見られたので、今でも誰かが建物を管理しているように見受けられました。なおこの廃墟については、次のようなエピソードがまことしやかに語られています。

• 元外交官の一家が娘の療養のために東京からこの地へ転居してきた。
• 彼女は重度の多重人格症で、転居後もそれが悪化し続けたため、父親はやむなく2階の一室に隔離した。
• 逃げ出さないように部屋の窓枠に鉄格子を張り巡らせて閉じこめていたところ、ある日、娘は父親が所有していた猟銃を使って家族全員を惨殺。本人は行方不明となったがどこかで自殺でもしたらしく、今でも深夜になるとその霊が屋内に現れて訪れた者に祟りをなす。

見上げた2階部分のすべての窓枠には、錆び付いた鉄格子がはめ込まれていました。しかし、どう見てもそれは防犯用の装置で、とても監禁用には見えませんでした。また先のタクシー運転手の説明で、件の噂が根も葉もない作り話であることも判明。某会社経営者が別荘用に建てた家屋が放置され、そのまま廃墟化しただけとのことで、その真相については以前、地元新聞が記事として掲載したことがあったそうです。

しかし……。「こんな所、幽霊なんか出やしませんよ」そう言って笑う彼の肩越しに、私は女の霊を感知していたのです。窓格子の向こうからじっと見下ろすその目は、恨みの念をはらんでいました。血生臭い噂話は虚偽ですが、ここには複数の浮遊霊が存在しています。憑依するほどのパワーはないものの、人によっては軽い霊障を受ける危険もあるので注意が必要です。

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