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霊視検証!有名心霊スポットの真相!-霊能の世界-

第27回道了堂跡

(東京都)

霊気が立ち込める山林の小径の先に、
浮かばれぬ女の霊がジッと立ち尽くし……。

今回ご紹介するのは自然公園内の、とある寺院史跡。道了堂跡と呼ばれるこの場所が心霊スポットだと噂されるようになったのは、この付近で起きた2つの殺人事件がきっかけだと言われています。

所在地
東京都八王子市鑓水405-1(大塚山公園)
危険度ランク
C ★☆☆☆☆
道了堂跡の霊視イメージ

東京都八王子市には、鑓水という地名があります。昔からこの地方では生糸の取引が盛んだったそうです。江戸から明治の初期にかけて、鑓水商人と呼ばれる生糸商たちが開港地の横浜と往復していた街道は神奈川往還と呼ばれ、現在では「絹の道」と名付けられて史跡保存されています。かつてこの街道筋の中継地点にあったのが道了堂と呼ばれるお寺の別院なのですが、現在では石段や石碑、建物の礎石部分を残すのみとなっています。

ここに霊が出るという噂が最初に立ったのは昭和後期のこと。まず1963年に当時、堂守をしていた老尼僧が強盗に殺され、さらにその10年後には、大学教授が交際相手の女子大生を殺してその遺体を道了堂付近の山林に遺棄するという事件が起きました。それ以来、この史跡を中心にしたエリアで霊の目撃談が相次ぎ、いつしか西東京屈指の心霊スポットとして知られるようになったのです。

私が現地を訪れたのは土曜の昼間だったのですが、史跡散策の名所として知られていることもあり、歩きやすい出で立ちをした年配の男女の姿がちらほらと見受けられました。バスを降りて鑓水峠の長い石段を登り、薄暗い林道へ出てしばらく歩くと開けた場所に至ります。そこが道了堂跡で、石組みの土台や石碑、灯籠、お地蔵様などを散見できました。

稲川淳二さんの有名な怪談『首なし地蔵』は、ここのお地蔵様がモデルになっているそうですが、今では欠損した首部分もきれいに修復されており、祟り霊が発する忌まわしい念波の類は微塵も感じられませんでした。これを目当てに肝試しにいらした方は拍子抜けすることでしょう。若干、陰の気が強いかなと思ったくらいで、良くも悪くも際立った特徴がなく、地相もさほど悪いとは思いませんでした。

しかし心霊スポットではないのかと問われれば、微妙な部分もあります。一般に廃絶された寺院や神社の跡地というのは陰のエネルギーが集積しやすく、時にはそれが生きている人間に悪影響を及ぼすこともあるからです。道了堂跡の場合もこの条件に当てはまるので、とくに夜半以降の深夜に訪れるというのはあまりお勧めできません。深刻な憑依現象などはまず起きませんが、人により軽い霊障を受けてしまう恐れはあります。実際、山林の道を進むにつれて少しずつ霊気が強くなるという感覚はあり、途中で数体の地縛霊、もしくは浮遊霊とも遭遇しました。そのうちの1体はミニスカート姿の若い女性の霊だったのですが、霊自体の波動が微弱で先の事件の被害女子大生かどうかを確認することはできませんでした。

たしかに霊はいるが心霊スポットと呼ぶには少し役不足、というのが私の率直な感想です。殺人事件が起きた因縁の場所ではあるものの、死者の怨念がいまだ残存しているという気配はなく、かつての首なし地蔵も今は普通の石仏に過ぎません。深夜に訪れることだけを避ければ、特筆するべきこともないスポットです。

道了堂跡

東京都八王子市鑓水405-1(大塚山公園)

JR八王子駅もしくは京王線北野駅より京王バス・西武北野台行きに乗車して、北野台三丁目バス停で下車、そこから徒歩でおよそ3分。

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