第26回新小岩駅
(東京都)
透き通った黒い影が、
何度も繰り返して線路に飛び込む……。
近年続く都内での鉄道自殺の連鎖は、
霊的に何を意味しているのか!?
今回は人身事故が多い鉄道駅で起きる霊現象の実態について、霊能者の立場から考察してみました。その一例としてJR総武線の新小岩駅を取り上げますが、限定されたひとつの心霊スポットというよりも乗降客が多い都会の鉄道駅全般の話としてお読みください。
- 所在地
- 東京都葛飾区新小岩1-45-1
- 危険度ランク
- B+ ★★★☆☆
東京都内では、人身事故による朝の電車の遅延が、近年とみに増加しているようです。ニュースで人身事故と報道される場合、その大半は鉄道自殺を指しています。とくに最近は時代を反映してか、投資の失敗や借金苦による自殺が多いそうです。それを痛ましいと思う反面で、どうして多くの人に迷惑を掛けるような死に方をするのか、と憤りを感じる方も当然いらっしゃるでしょう。しかし自殺者の多くは、最初から死のうと思って駅に行くのではないように思います。いつものように普通に出勤し、駅のホームに立って電車を待つうちに、発作的に死の衝動に駆られるのではないか、と推測しています。
半年前の夏、JR総武線の新小岩駅で霊を目撃したという女性とお会いしました。白昼、快速ホームの最前部近くで下り電車を待っていたところ、すぐ横に人影がスーッと近づいてきたそうです。説明しがたい違和感を持った彼女がさりげなく橫目でその人物を見ると、全身が影法師のように真っ黒でなおかつ線路の向こうの景色が透けて見えていたと。思わず悲鳴を上げそうになったところに列車が到着したのですが、その人影は何の躊躇いもなく車両の先頭部に飛び込みました。何事もなかったように停車して再びホームを離れていく列車を、彼女は呆然と見送ったそうです。
この半透明の黒い人影については彼女以外にも遭遇した人が複数いるようで、一時は実物が映っている動画がネットで出回り、評判になったとも聞いています。同駅では2011年に中年女性が成田エキスプレスに飛び込み、跳ね飛ばされた身体がキオスクに突っ込んで男女4人が負傷する事故が起きました。そしてそれを皮切りに一時は連日のように鉄道自殺が相次ぎ、今年までの4年間だけで30名近くの人命が失われているのです。霊能者や心霊研究家の中には、こうした現象を「同じ場所で自殺した霊に引き込まれた」と説明する者もいると思いますが、私はそれほど単純な話ではないと考えています。
ご存知のように、鉄道架線には高圧電流が流れています。そうした電磁気が強い場所では、一般に霊現象が起きやすいと言われます。さらに風水では、線路を川に見立てます。つまり電磁気を帯びた車両の流れに沿って、霊的波動が還流しているのが鉄道というものなのです。とくに乗降客の多い都内の駅では、その流れに大量の乗客の思念エネルギーも加わるので、それがマイナスに傾くと一時的に邪的な霊的磁場が形成されることがあります。ですから先の例にしても、単に自殺者が地縛霊になって新たな犠牲者を引き摺り込むのではなく、「頭の片隅に死を意識した人間が、巨大な霊脈の流れに飲み込まれてしまう現象」ではないかと思うわけです。新小岩に限らず、都内全域の大きな駅は全て、心霊スポットと化す可能性を秘めています。いや、もうすでにそうなっているのかもしれません。