第7回雄蛇ヶ池
(千葉県)
多くの釣り人たちに目撃されている、
女の霊の正体とは何か?
現地を訪れた霊能者の目に映ったのは、
蛇体を成した妖気の渦だった!
第7回は、千葉県にある雄蛇ヶ池。名前からしていわくありげなこの人工の池は、県内屈指の心霊スポットとされている。頻繁に目撃されている女の霊と謎の泣き声の正体を、霊能者が霊視の力で明らかにしていく。
- 所在地
- 千葉県東金市田中199
- 危険度ランク
- B+ ★★★☆☆
今回ご紹介するのは、千葉県東金市にある雄蛇ヶ池です。元々ここは江戸時代の初期に作られた用水地なのですが、現在はエリア一帯が自然公園になっています。全周が約4.5km、面積は25haに及び、池と言うよりは湖に近い景観をしています。水際に沿って遊歩道も整備されており、バスフィッシングやウォーキングの名所として知られています。
以前にも書きましたが、池、沼、湖、貯水池やダムなど大量の水が存在する場所には、霊波動を活性化させる作用があり、それは良くも悪くも様々な霊体を呼び寄せやすく、また生きている人間の霊感も高める傾向があります。つまり、そうした場所は他と比べて、心霊現象に遭遇しやすいということが言えます。
雄蛇ヶ池に幽霊が出る、その噂が囁かれるようになったのはいつの頃からなのか、これは定かではありません。ただそこには、この池の名の由来となった伝説が色濃く影を落としています。
話のあらましは次の通りです。
ある村娘が、地元の役人として勤めていた若侍に恋をしました。しかし、身分の違いによって、その思いを遂げることができませんでした。このことに悲観した娘は、思い余って水に身を投げてしまったのです。以来、その怨念が白蛇と化して、この池に棲み続けている……。
こんな伝説が残っている池なら、その先入観だけで幽霊の幻覚を見る人が出てもおかしくはないでしょう。実際、ここで起きるとされる心霊現象は、“日暮れ時に釣りをしていると、女のすすり泣く声が聞こえてくる”、“白い陽炎のような女の人影が、水の上に浮かび上がる”といったもので、伝説に出てくる村娘がいまだに成仏できずにさまよっているのだという暗黙の了解が感じられます。しかし私が霊視した限りでは、江戸時代の自殺者の霊などを確認することはできませんでした。作られてから長い歳月を経た池なので、その間には身投げする人もいたかもしれません。でも、少なくとも現時点で強力な地縛霊や邪霊の存在は感じられないのです。
この池で起こる心霊現象の原因は人霊や動物霊によるものではなく、人の心が作り出したものです。江戸時代以来、語り継がれてきた池の伝説に影響された人々の想念が澱のように溜まり、それが水の波動によって保持され続けているのです。遊歩道から水面を見渡した際、蛇の形をしてうねる妖気の渦巻きも確認しましたが、これもまた人間の想念が作り出した一種の人工霊でした。恐らく女のすすり泣く声というのも、一帯に滞留するこの想念エネルギーに触発された幻聴ではないかと思われます。よほどのことがない限り、この場所で霊に祟られたり、取り憑かれたりすることはないはずです。ただ、ここに限らず大量の水を貯めた水辺というのは、日没とともに陰の気や邪気が増幅されるので、真夜中に肝試しをするといった行為はお勧めできません。