第5回虹の大橋
(神奈川県)
自殺者を防ぐために張り巡らされたフェンス。
その向こうから、白い服を着た女が
恨めしげにこちらを見つめてくる!
第5回は、神奈川県にある虹の大橋。このダム湖に掛かる橋は自殺の名所として知られ、夜な夜なその自殺者たちの霊が出没すると噂されている。現地を訪れた霊能者に訴えかけてきた霊の言葉とはいったいなにか!?
- 所在地
- 神奈川県愛甲郡清川村宮ヶ瀬
- 危険度ランク
- A ★★★★☆
神奈川県道64号、伊勢原津久井線の途上にある全長330mのアーチ橋。それが今回ご紹介する虹の大橋です。この橋は宮ヶ瀬湖という人工のダム湖に架かっており、丹沢山系の風光明媚な景観も相俟って、年間を通して行楽客が多く訪れるエリアです。橋が完成したのは1985年だそうですが、当初は湖面までの高さが150mほどあったとのこと。そのため投身自殺が相次いでしまい、現在は橋の両側に成人男性の背丈ほどもある高いフェンスが張り巡らされています。
ここで起きる心霊現象の主なものは次の通りです。“フェンスの向こう側に女の白い影が浮かび上がり、こちらを恨めしげに睨んでくる”、“橋から湖に向かって写真を撮ると、高い確率で霊の姿やオーブが写り込む”、“橋の縁に立っていると、どこからともなく足音が響き渡る”、“車で走行中に背後から突然、頭髪を引っ張られる”、等々。
実際に現地へ赴いたところ、橋のたもとで早くも1体の霊と波長が合いました。その霊は30代くらいでしょう、年頃の髪の長い女性で、噂の通り白いワンピースに身を包んでいました。「私、この橋から飛び込んで死んだのよ……」そう言いながら女性はいつの間にか、私の真横にたたずんで湖面を指差していました。湖から立ちのぼる水気によって、すでに朧気ながら実体化しています。ご多分に漏れずこの場所もまた、大量の水の波動が霊のパワーを活性させているようです。
私はこの女性の霊以外にも、複数の霊体が周囲を旋回していることに気付きました。そして次の瞬間、数10体の霊体に取り囲まれ、一斉に怨嗟の声を浴びせかけられたのです。「成仏したい!成仏したい!成仏したい!成仏できなければ、オマエも引き摺り込むぞ!」全員、自殺者の地縛霊でした。中には水面に強く叩きつけられた衝撃のせいか、身体がいびつに形に歪んでいる姿の者もおり、かなり凄絶な感じでした。
ただ1体の霊を浄霊するだけでも大変なのに、こんな数の地縛霊を一度に成仏させることなどできるはずもありません。私は鎮めの経文を唱えながら、縋ってくる霊の群れを振り払って車へ乗り込むと、橋を一気に渡り過ぎました。
ここには過去の自殺者たちの怨念が、澱のように積み重なっています。元々、土地の霊的磁場は良かったはずなのですが、ダム湖を造って貯水してしまったことで、風水の流れに滞りが生じています。さらに地縛霊の発する気によって、この橋の領域一帯が負の波動に覆われてしまっているようです。通らなくてはならない用事があるのならともかく、少なくとも遊び半分に訪れるべき場所ではありません。特に多少でも霊感のある人は注意してください。湖の水気が霊の念を強化していますから、油断していると取り憑かれる恐れがあります。